すがおブログ
校長便り10月「育 自」
新しい学年になって半年が過ぎました。お子さまの様子はいかがでしょうか。
子育てを通していつの間にか自分自身も育っていく。子育て初心者として子どもと一緒に一歩一歩成長していく。このような状況は「育自」であると言われています。
育自の場面で親の成長として、“視野が広がった”、“自分の生き方を改めて考えさせられた”、“人格的に成長できた”となるのでしょう。別の言い方をすれば“一人の人格者として子どもを受け入れる”ことができるようになったのでしょう。
例えば、兄弟姉妹の子どもたちと関わる中で、「なぜこんなにも性格や行動パターンが異なるのだろう。親である自分との相性にも違いを感じる」場面があります。先ほどの“子どもも一人の人格者である”と考えれば当然のことなのですが、親子ってそんな風に割り切れないから悩むんですね。
そんなとき私はよく「親と子のキャッチボールでは、投げ合う玉の色が兄弟や姉妹で違うんですよ」と言います。親の自分が白玉でキャッチボールするから、子どもも当然のように白玉だろうと決めて関わると、何かしっくりこず、いつも同じようなことで叱ってしまいます。ここで、親だからこそ自分は白玉でも赤玉の子どもと赤玉でキャッチボールを試みてあげることができるんです。
また、一人の人間である親は自分の成育歴の中で培われた部分として自分に足りないところとか、自分の性格で気に入らないところがあると思います。その部分が子どもに見受けられたとき、無意識につい厳しくしてしまう傾向があると感じています。「そうあって欲しくない。そこを直してほしい。」と無意識に、いや半分意識的にかも知れませんが、いずれにせよ子どもを愛するがゆえの言動です。
大切なことは、そういうことが一人の人間としての親にはあって、そこを意識して子どもと接すれば我慢できたり、乗り越えられる場面もあるのではないでしょうか。
“育児は育自”と言われるところを心にとめながら、一人の人格者の子どもたちを溢れる愛情で包み込んであげてください。